この道の先について
鍵を開け
横にずらす。
この先には道は無い…。
でも…見方を変えれば
道無き道と言っても違いはないのかもしれない。
今から踏み出す1歩は
僕の今までの人生で一番
恐怖という思い足枷をつけた1歩だ。
でも…もし踏み出すことが出来たのなら…。
僕はきっと報われる。
楽になれるのだろう。
少し空を見上げると
雲が無い真っ青な快晴が見えた。
ふと…僕の黒い瞳がこの青い快晴を
見つめる事によって少し青くなるのだろうか…。
と1歩を踏み出す前にそんな馬鹿なことを考えた。
「少年!」
聞こえてきた声に驚き
僕は聞こえてきたあらぬ方向を向いた。
「翼が無いのに翔ぶなんて無謀だぞ!」
そこには紛れもない白い翼を持った
天使が窓の縁に立つ僕を見下げていた。
7/3/2023, 10:39:47 AM