彼女は胸の谷間を強調した露出度の高いドレスで、上目遣いで僕におねだりをする。
「ねえ、あたし今月売上足りないの。このままじゃお店クビになっちゃう」
気がつくと、財布が軽くなっていた。ついでに店からも放り出されていた。
でも彼女の笑顔を見るための散財なら、いくらだって痛くない。
この娘をひと目見たときに決めたのだ。
行く行くは自分のネイルサロンを開業したいらしい彼女のために、その目標の道しるべとなる星になる、と。
たとえ都合のいいATM程度にしか思われていなくても、いいのだ。
いいのだ……。
2/10/2025, 4:15:16 PM