NoName

Open App

「あら。素敵な色ね。」

「ありがとう」

「何を描いているの?」

「わからない。」

目の前に広がっている、ただ白い画用紙に散らかしただけの絵の具をぼうっと見つめた。

「…つまり、自分のこころの赴くままに描いているってことね。」

「…そういうことなのかもしれないね。」

「無理に理解する必要はない。というより、そんなことできない。……だって、」

だって、

わたしのこころのゆくえは、
かみさまだけがしっているから。

7/4/2024, 10:33:00 PM