「結婚おめでとうございます。」
にこやかに笑みを浮かべる女。…基、ただの滑稽な女。
消化不良の恋を何十年も引き摺り回した馬鹿な女。
「ありがとう。」
でも、気づいてくれないアナタもそうよ。ほんとうに馬鹿。
結婚、人生のうちで最も晴れやかである行事。
そして、幸せである日。
幸せを掴んだアナタの隣は、アタシじゃない。
「明日が結婚式ですっけ?楽しみです。」
ウソ。今からどうにかして風邪でも引いて休みたい。
「そう言ってもらえて嬉しいよ。」
明日、彼は旦那となる。他の女の旦那。
そして、いずれは父親となる。
でも、私の想い人ということは変わらない。
けど、変えなくちゃいけない。
変えなくちゃ、アナタに迷惑かかる。
ううん、ウソばっかり。
変えなくちゃ、アタシが辛いもの。
全部全部自分のためよ。
そう。アナタを好きになったのも自分の選択。
アナタを諦めるのも自分の選択。
誰かから促されたわけじゃない。
でも
今日だけは…
「…久しぶりに、飲まない?」
アナタの隣にいることを
「僕もそう思ってたよ。」
アナタを好きでいることを
許してください。
10/5/2025, 12:09:49 AM