ミントチョコ

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題 透明な涙

透明な涙はいつまでも止まらなかった。

私の好きな人は、私を見てくれないから。
私は涙を流すしかなかった。

だって何をしても振り向いてくれなかったから。
どうしても、私じゃだめだったから。
他の子を見ていたから。

私は諦めるしかなかったんだ。

それでも、学校で話すあの人とあの子を見て、辛い気持ちになるのは止められない。

諦めたって思っても、目撃すると、胸が痛む。

チクチクチクチク。

針で刺してるのかな?

そんな痛み。


痛みは重なっていって、2人が楽しそうって思えば思うほど私に何重も痛みを与えてくる。

諦めたって思ったのにな。


チラッと2人を見る。

2人の楽しそうな様子が、たまらなくて、たまらなくて、席を思わず立つ。

そして、トイレに入ると同時に涙がこぼれだす。

好きな気持ちが強い分胸が痛くてねじれそうで。

だからその痛みと切なさに涙が止まらないんだ。


私の報われなかった気持ち。

ずっとずっと私の中で変わらなかった恋心。

もう諦めたと思っては、こうして復活しては私をチクチク苦しめる。

涙を止まらなくさせる。

ふと右手にこぼれた、涙を見た。

透明な、色のない透明な涙。


私の恋心は何色だったんだろうか?

濃い赤色の恋心なら、今はピンク位にあせているだろうか。

こんなに、辛いのに、いつこの気持ちはなくなってくれるんだろう。

いつ透明になるんだろう。

いつまで待てばいいのかな。

そんな事を思うと、切なくて余計に涙があふれてくる。

いつまでも終わらない出口の中にいるようで、私は毎日可能性のない毎日に色褪せるのを待つけれど⋯。


まだなんだ、全然色あせた気がしない。

その終わりは分からない。

透明な涙のついた手をハンカチで拭うと、深呼吸を2回して、私はトイレから出て手を洗うと教室へと戻ったのだった。




1/16/2025, 10:01:17 AM