霧夜

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※今回は長いです。


ピロリロリンッ♪

あいつからのLINEの通知音と分かるよう特別に設定した音が、物静かな部屋に響いた。
……そして、それを開けぬまま、既に数時間が経過していた。

画面を開くのが、来た文章を見るのが怖くて、まだ携帯の電源すら入れることが出来ていない。

『もういい…こんな所出て行ってやる!!!』

あいつが家を出ていってから、一週間。
しょうもない事で言い争いになって、その時は俺も仕事のストレスで怒りが爆発してしまって、
大喧嘩してしまった。

あの時の俺がどれだけ馬鹿だったか、冷静になって振り返ってみれば嫌でもわかった。
仲直りしたい、またあいつと一緒に居たい、たった一言「ごめんなさい」と謝りたい。
だけど、今回は全面的に俺に非がある。俺が悪いのだ。それなのに、誤っただけで許されるのだろうか?

…だからこそ、今日来たメッセージを見るのが怖い。

…もう一緒に居たくない



…会うのを…いやそもそも関係を終わりにしよう



そんな言葉が来ているかもしれない。そう考えるだけで、俺の全身に鳥肌が立つのが分かる。
俺の一時に感情に任せた身勝手な言葉のせいで、あいつと会えなくなるのが、俺はすごく嫌だった。

見れない…

あいつとの関係が崩れてしまう気がして。

見たくない…

怖い…こうなるのなら、早くしっかり謝っておけば良かった。
そしたら…また結果は違ったのかもしれないのに。

恐怖、自分への怒り、そして…猛烈なまでの後悔。

そんな感情が、頭の中をぐるぐると渦巻く。


そんな事を考えて、更に数十分が経過した後に、俺は覚悟を決めて携帯のLINEを開いた。
どんな言葉が書いてあっても、まずは謝ろう。会いたくないだろうから、文面でごめんなさいって。
それで、それでも駄目だったら…諦めよう。

俺は一度深呼吸をしてから、新着メッセージと書いてある通知を二回タップした、、、

「………え?」

ピーンポーン♪

その時、家のインターホンが鳴った。
俺は涙が出そうになるのを必死に堪えながら、携帯をサイドテーブルの上に置いて、玄関の方へと向かった。

まず、扉を開けたら、しっかりと言わないとな…

”あの時はごめんなさい“って…!!!!

////

LINEのトーク画面が開いたままの携帯。
さっき着いたばかりの既読の印がついた一番下のメッセージ。
そこにはこう書いてあった。

“お前と仲直りがしたい。今から会えないか?”

と。


#開けないLINE
45作目

余談

皆様おはこんばんにちは!!

もっと読みたい400突破ありがとうございました(*‘ω‘ *)♪

いつも飽き性の私ですがこれだけは書き続けられているので…これも皆様のお陰です!
今回は中々案が浮かばず日を跨ぐことになってしまいましたが(笑)
何はともあれ、これからも書き続けていく予定ですので、お暇な時間にでも見て頂けると嬉しいです(≧∀≦)
それでは

9/2/2023, 1:17:59 AM