hikari

Open App

懐かしく思うこと 途中

地元の大型商業施設は、僻地にあるもので残り一つとなった。
人口15万人前後のこの街にある店々は、
高校卒業後、10年足らずで次々と潰れていった。
特に駅前の大型商業施設が潰れたことはかなり衝撃的だった。あまり地元の人間と交流していないので、その衝撃が地域全体のものかは知らないが、わたしの世代はそれなりに驚き悲しんだことと思う。
地元若者といえば、遊び場といえば、潰れた駅前のそこか、ラブホテルくらいだったと思う。というか、当時はその二つくらいしか聞いた覚えがない。
つまり、地元に帰り懐かしさを巡る場所はあの無駄にデカいラブホだけか…と思うと酷く過疎化した地域問題について意識せざるおえなくなってきた。なんとも悲しい現実である。

かといって、私は懐かしむような思い出がそもそもこの土地になく、早く地域として潰れればいいのになと思っていた。その怨念は物心つく時から始まり、現在ようやく縮小しかけている。この土地で生まれ育ったくせになぜそんなことを思ったのだろうかと振り返ると、やはり遠方から嫁いできた母の愚痴から、私はその罪悪感をこの地元に押し付けていたのだなと感じた。

10/31/2024, 1:58:40 AM