とある

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秋の風は色のないものだと、
和歌の授業で先生が言っていらっしゃいました。

秋は陰陽五行説で白、だから色がない、と。
それを聞いていたからでしょうか。


あの方に
さよならを告げられた私の頬に感じる風は。
冷たくて色がないのです。


紅葉の庭の極彩色も、空高く澄んだ蒼も。
あの人の髪の色も目の色も。
あんなにキラキラしていた溢れていた色たちが。


すべて色をなくしてしまいました。


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《秋風》
「秋」を「飽き」に掛けて、
男女間の愛情が冷めることのたとえ。

11/15/2023, 1:59:44 PM