Eiraku

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白い吐息

朝起きた時に感じる、微かな不快感に眉を顰める。

「寒い…。」

自分の不機嫌さが思い切り声に現れていた。
障子の隙間から覗く空は酷く澄んでいた。
雲ひとつ見えない。青く限りなく広がる。

縁側に立つ。冷たい風が頬を突き刺した。
遠くの山を見据えた。
まだ霜がかかり、空との境目が曖昧だった。

はぁ、と吐息を漏らす。
何も変わらない、いつも通りの朝。

いつも通り、一人、白い吐息を眺めている。

12/7/2025, 1:58:13 PM