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そういえば一緒に住み始めてから
彼と待ち合わせしてデートする事って無くなったなぁ...なんて洗濯の待ち時間で思う。


「ねぇ,明日デート行かない?
ダメかな?待ち合わせして夕方デートしよ。」

「うん,いいよ。じゃあ夕方図書館で待ち合わせよう。」

私の提案にからは快くいいよと返事をしてくれた。
明日のことを考えていると,
いつもはめんどくさいめんどくさいと思うことが
今日はなんだかめんどくさいと思わなくて
ずっと口角が下がらなかった。

夜は,早く明日が来るように

いつもより早く寝ようとすると彼から

「楽しみにしすぎ笑」と笑われてしまった。

「だって久しぶりのデートだよ?
楽しみにしてくれてないの?」

楽しみにしてるのが私だけだと感じて私は彼に言った。

「そんなことない。俺も楽しみ。
君にもっと惚れて貰えるようにオシャレするね。」

なんて優しい言葉をかけてくれる。
もう十分惚れてるのに...

「今日は,俺も早く寝ようかな」
そんなことを言って一緒に朝を迎えた。


「おはよう。今日のデート忘れないでね。
いってらっしゃい。」
「おはよう。忘れるわけないでしょ笑,いってきます。」

朝早くから予定があった彼を見送ってから
私は今日のデートの準備をする。

まず,お皿洗いと掃除,洗濯回さないと...。
今日は待ち時間でデートの服装を決めた。
メイクも服装も髪型も普段より気合いを入れて
「よし,いい感じかな。」
全身鏡で変じゃないかを確認してた。


「いってきます!」
誰もいない部屋に言葉を発する。
こころなしかいつもより足取りが軽かった。

私を横を通る風はもうすっかり秋風を感じさせた。
涼しく冷たい風は私の手を冷やしている。


集合場所の図書館に着いて彼を探す。

「あっ,いた。」
私より先に来ていたようで彼は本を読んでいた。
彼は,普段よりもカッコイイ格好をしていて輝いているように見えた。

「ちょっと笑,来てたなら声掛けてよ。」

「あっ,ごめん。めっちゃ似合ってる,かっこよすぎて見惚れてた笑」

「なんだよそれ笑,そっちこそ似合ってる。
俺とのデートのためにオシャレにしてるの嬉しい。」

そんな会話をしながら外に出ると
彼は,何も言わずに私の手を取った。

「冷たっ。外冷えたもんね。」彼は言う

「いつもは家から手繋いでたからわかんなかったんだ。もうこんなに寒かったんだね。」私が言うと

「これからは俺がずっと手繋いでてあげる。絶対に離さないから。」
優しく私の顔を見て微笑む彼は
いつも私をドキドキさせる。

私は彼といるとさっきまでの秋風が
嘘のように温かく感じるみたい。
幸せを感じながら
今日も彼の隣を歩いていく。





─────『秋風』

11/15/2022, 4:30:36 AM