おかえり。
がちゃっ。と音がする。
「ええ〜恭輔くんのお家シック〜。」
「ま、狭い家だけど座れよ。酒、何飲む?」
今日もあたしの主人はどこかのだれかと一緒に帰宅だ。
今月は3人目。
ふふん。それを知っているのはあたしだけ。
仕方がないから愛嬌ふりまいてやろう。
にゃー。
「かわいい〜♡名前は??」
と甘ったる声。
「ミシャ。ほい。レモンサワー。」
「ありがとう♪カンパーイ」
恭輔と女は流行りの洋画を観ている。
二人の距離が近くなる。
やがて恭輔が女の首に手を回した。
ふむふむ。そろそろ席を外してやるとするか。
あたしはなんて利口な女なのだろう。
どれくらいたっただろうか。
つい玄関でうたた寝してしまっていた。
外はうっすら明るい。四時位だろうか。
「ミシャ。おいでー。
一人じゃ淋しいだろう。」
あたしを優しく抱きかかえ、彼はベッドに向かった。
「 子猫 」
11/15/2023, 10:20:08 AM