夜が明けた。:
真っ暗な部屋に薄明かりが射す。遮光カーテンの向こうでは陽が昇り始めたようだ。じきに鳥も囀りだすだろう。
季節が変わって日の出も早くなったものだ。ほんの少し前までなら、この時間はまだ夜の闇に満たされていたのに。
ほんのわずかな陽の光とその温度で瞼が痛い。逃げるように布団を被って、束の間の暗がりに閉じ籠る。
今日も朝が来てしまった。
昨日も一昨日も、それよりずっとずっと前から、毎日朝に怯えている。眠りにつこうがつくまいがひどく恐ろしいことに変わりはなくて、どれだけ願っても明けない夜にはいられなくて。
それを希望とする描写がどうしても飲み込めない僕を置き去りに、明日も明後日も夜は明ける。どうせ逃げられないのなら、僕もその光の中で生きられるようにしてくれよ。
4/29/2025, 8:13:37 AM