Open App

凍てつく星空


トイレに行きたくて目が覚めて

布団の中をゴロゴロする。

トイレは、外にある

凍てつく星空の下
母屋と別棟になっている
外へ出て
靴を履いて
出ていかねばならぬ

目を閉じる

尿意がなくならないか
眠気が
眠りの女神が優しくまぶたを重くして
尿意を消してくれないだろうか

目を開ける

母屋の天井である。

トイレは、外にある
昔ながらの農家の家。
これは、夢でトイレが屋内にある我が家に戻ってないか
再び目を閉じる。
開ける。

諦めて起き上がる

温かい布団の中から冷たい室温にさらされる
ジャンパーを着る
土間へ行く。靴を履く。
玄関を開ける。

身を切るような寒い外気
空は、どこまでも黒く
星が明るい
ダイアモンドを散りばめたように白銀のガラスのきらめきと言うか星明かりで地面が見える
街灯も何も無いのだけど
トイレまでの別棟までの道が見える

こんな綺麗な星空は、都会には無い

でも、この景色を楽しむよりも

一刻も早く布団に戻りたい!が優先されるのだった。

ーーーーーーーーー
もっと楽しむべきだった。
凍てつく寒い空
ハッキリ輝くオリオン座
もう、冬休みにその家に帰ることは、無い

星明かりで道路が見えて歩ける。
そう言う田舎に行くことはない

あれほど嫌だった冬の真夜中に行くトイレが。
もう二度と行けないと思うと
どうして寂しいのだろう

人生のその時、その時の普通がある日、普通でなくなるなんて
その時は、どうして分からないんだろう?

12/1/2025, 1:22:46 PM