花とコトリ

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「こんな夢を見た」

うたたねの縁側で、こんな夢を見た。

空が、見たこともない虹色のグラデーションに染まっている。絵具を水に溶かしたような、淡くて、どこか淋しい光の層。

見上げると、銀色の鱗を光らせた大きな魚たちが、静かに空を泳いでいた。尾びれが空気をなでるたび、きらきらと光の粉が降ってくる。

足元には、いつかの冬に旅立ったユキがいた。雪のように真っ白な毛並みは、触れると柔らかく、懐かしい温もりがある。ユキは喉を鳴らすこともなく、ただ隣に座って、細めた瞳で不思議そうに空の魚を追っていた。

「きれいだね」
私がつぶやくと、ユキは一度だけ小さく耳を動かした。

次の瞬間、ユキは音もなく立ち上がり、すうっと宙に浮いた。まるで重力がないかのように軽やかに、空の魚たちと同じ速さで、優雅に泳ぎ始める。私もそれに続き、ふわりと体が持ち上がった。

ユキと私は、虹色の空を銀色の魚たちと並んで泳いだ。冷たいはずの風は心地よく、きらめく鱗の粉が頬をなでる。ユキが私の方を見て、小さく「ミャッ」と鳴いた。その声は、遠い昔の記憶のようにも、明日への招待のようにも聞こえた。


目覚めると、部屋には冬の午後の、ただ白い光が差し込んでいた。

1/23/2026, 2:04:17 PM