「ねえ。すごい汗かいてるけど大丈夫?怖い夢でも見た?」
「……」
気がつくと、心配そうな顔をしたキミがそばにいた。
「…大丈夫だよ」
少し乱れた息を整え、汗を拭う。
「いつの間にか寝ちゃってたんだな」
ソファで横になり、本を読んでいたはずが、寝てしまっていたらしい。読んでいた本は、床に落ちていた。
「苦しそうにしてたから、起きてくれて良かったよ」
胸に手を当て、安心したように笑うキミに
「ありがとう。この本を読んでいたせいかな。犯人に追いかけられる夢を見てね」
落ちていた本を見せ苦笑する。
「もう少しで犯人に捕まる。ってところで一筋の光が見えてね。その光に向かって逃げて行ったら、たどり着いたところにキミがいて、助けてくれた。助けてくれてありがとう」
キミの手を取り礼を言うと
「夢の中でも、助けられて良かったわ」
戸惑いながらも、キミは微笑んでくれたのでした。
11/6/2024, 5:35:22 AM