頑張って生きる一般人さん。

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「死んだ君に会いたい」

 ベッドに身を投げ出した僕は、そう呟く。真っ直ぐ上に手を伸ばしたって、掴めるのは目に見えない空気だけ。ゴロンと横になって、目を瞑る。

――浮かんでくるのは、あの向日葵畑の光景。
目を開ければ、そんなものどこにも見えない。

 ふと、目に入った写真立てを手に取る。そこには、太陽の光をバックに、優しく微笑んでいる君がいた。僕はそっと口付けを落とす。

嗚呼、どうかもう一度、僕の元へ――

「君が生きているうちに伝えたかった気持ちを、届けたいから」

〜ないものねだり〜

3/26/2023, 2:36:42 PM