ワン・モア
部屋の窓辺から光が差す。
色とりどりの光。
カラフル。
窓を開ける。
人々の喧騒、そして輝く摩天楼。
瞬間。
荒波が部屋の家具を流してしまう。
私はボートに乗る。
窓から外へ出ると果てしない海原。
珊瑚の大陸。
摩天楼は巨大な珊瑚と石灰岩だった。
真っ赤な夕日が世界を染める。
西の空には私が出てきた窓。
カーテンが揺れ、お気に入りの観葉植物が見える。
その窓から見下ろす目。
私だ。
世界を覗いているのは私。
じゃあボートの上にいるのは誰だ?
水位が上昇する。
手が窓に届きそうなほど近くに。
目は私を見続けている。
そうだ、世界を砂時計みたいに逆さまにすれば。
もう一度。
3/30/2023, 6:41:36 AM