海喑

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鋭い眼差し
肌寒い風が吹く昼下がり、私は駅前のショップで買い物をしていた。
普段なら彼と2人なんだけど用事があるらしく、仕方なく一人で来ている。
たまには一人もいいな、なんて思いながら。
すると後ろから話しかけられた、
「ねぇ、そこのお姉さん〜、今からぁ、俺らと遊び行かね?」
「……」
「お姉さんシカト〜?良くないね〜w」
嫌気が差したから私はそこから走って逃げようとした
するとパシッと腕を掴まれた
「逃げれると思った?」
「……!?」
その人の気持ち悪い眼差しが私に刺さった。
私の体が自然に震えていたのが分かった。
心の中で必死に彼の助けを求めた。
(助けて…貴方……)
私は目を瞑った、
そしたら
「ねぇ、誰。アンタら何してんの?」
聞きなれた声が聞こえてきた、私は目を開ける
目の前にいたのは貴方だった。
でも、いつもの貴方とは全然眼差しが違っていた
優しい眼差しとは打って変わって、とても鋭くて刃物のような眼差しだった。
それにビビったのかさっきの奴等は走ってった
「海暗、大丈夫?」
心配して私の顔を覗き込んできた、さっきの鋭い眼差しは優しい眼差しに変わって私の顔を見つめた
「うん、大丈夫。でもなんで貴方はここにいるの?なにか買いに来たの?」
「あっ…あ〜……」
「目泳いでるよ〜?そんなに隠さないといけないものなの?」
「家に帰ったら渡したかったんだけどなぁ…」
ガサゴソと持っていた紙袋から何かを出す
「これ、海暗似合うかなってさ、さっき買ったんだ」
見れば、それは綺麗な指輪だった。
「これ買って、店出てみたら海暗がいてさ。何かあったのかなって思ってみたら…
って感じでさ。あ、あとそれ、どうかな。」
少し心配そうな顔で私に尋ねた。
「勿論!すごい嬉しいよ。あとさっきさ、私の事助けてくれてありがとね。」
「全然、海暗が無事で良かったよ。そろそろ帰ろっか。」
私達は電車に乗る為に駅に向かった。
私はふと、私の事守ってくれるならあんな一面も見せてくれるんだと
正直驚きつつクスッと笑っていた。

10/15/2023, 1:11:05 PM