眞白あげは

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月夜

ひっそりと
夜の縁(ふち)に腰かけて
月は ひとりごとのように光っている

風は 名前を持たず
ただ やわらかく世界を撫でてゆき
影たちは その指先にくすぐられ
ゆらり ゆらりと揺れながら
眠りそこねた心を映している

遠くで
犬の声がひとつ
夜の深さを測るように響き
その余韻の中で
私は 胸の奥の静かな湖に
そっと石を落とす

波紋は
誰にも見えないまま広がり
やがて 月の光と混ざり合って
ひとつの祈りになる

――どうか
明日の私が
今日より少しだけ
やさしくありますように


眞白あげは

3/7/2026, 10:08:02 AM