青く深く
ぼくだって、好きであなたをこんな目に遭わせたわけではありません。
凄惨な家庭環境のなかで頼れるのはぼくしか居なくて、友人関係だって上手くいかなくて、寂しそうなあはたはいつもぼくだけにその愛情を注いでくれました。
ぼくもそんな君を誰よりも愛おしいと感じて、その腕の傷も、捨てられない錠剤のシートも、錆びた剃刀も愛しました。
あなたと抱き合う時、少し痛くしてしまうことがあったのは、反省しています。それでも、愛ですから。
辛そうで、いつも苦しそうで、風邪薬の空き瓶はとうとう二桁を突入しました。
あなたが死にたいと、ぼくに共感を求めるとき、ぼくは頷きますけれど内心恐ろしい。それでも、もう君を楽にしてあげたかった。
二人で。という、幸せな約束を守れませんでした。浴槽で深く、浴槽で、深く眠るあなたに謝りながら、なんとも言えずにいます。
愛してくれてありがとうと、笑うあなたはずるいです。
ぼくもそう、そのままお返ししたいので、どうか聞いてくださいね。
6/29/2025, 12:50:31 PM