#青い青い
5ヶ月前に付き合った彼氏が最近そっけない。
少し前まで「大好きだ」とか「ずっと一緒」とか言ってくれてたのが嘘のようだ。
一緒に交換ノートをしていたのに、それも途絶えてる。
思いっきって、交換ノートを渡すことにした。
「〇〇!これ受け取って!」
「やめろって、いらへんから。」
放たれた言葉に心がズキッと痛む。
「なんでずっと書いてくれへんの?」
「バスケが忙しいねん…。」
たしかに、彼はバスケをしている。凡人の私でも言い切れるほど、バスケが上手い。
「なんか、ごめん。でも…!」
私は無理やり彼の引き出しにノートを突っ込む。
「お前、何しとんねん!」
そういった彼は、ノートを渡しに返す。
「そっちの都合もそうやけど、こっちだってそろそろ腹立つわ!」
「何やねん、急に…」
私たちの間に、沈黙が流れる。い、言ってしまった…。
「アハハハハハハ!お前、意外と怒るんやな!」
「…へ?」
彼の口から出た声は、私の思っていたこととは全く違っていた。
「ていうか、何!笑うなよ!この!」
私は何度もノートも突っ込む。
「諦めろ〜。絶対入れさせへんから〜」
「腹立つ〜!何やねん!」
――キーンコーンカーンコーン
「じゃあ、またあとやな〜」
ムカムカするぅ…。…でも、あいつ、笑ってた。私のこと、嫌いじゃないのかな。
なんか、ちょっと嬉しくなってる自分も腹立つわ。でも、
「これでも好きなんは何でなん…?」
こんなことから、途切れていた私の青春は、もう一度始まった。
…季節的には、もう夏だけど。始まったんだ。青い、青い、春が。
5/3/2025, 12:26:33 PM