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街灯がなく、人通りの少ない夜道を、星明かりの下、キミと手を繋いで歩く。
「星の明かりだけだと、暗いね」
「そうだね。今みたいに、月が雲に隠されちゃったら、暗いよね」
しかも、月が雲に隠れていて、その姿は全く見えない。
「こんなに暗いと、私1人だったら怖くて歩けなかったよ」
「ああ、女性1人だと怖いよね」
確かにそうだよな。と思い、キミに同調すると
「あなたがいてくれて良かった」
キミは俺を見てふわっと笑う。
「あなたがいてくれると怖くないし、繋いだ手の温かさで、安心できるよ」
今すぐ抱きしめたい衝動を抑えるように、繋いだ手に力を込めたのだった。

4/21/2025, 9:24:13 AM