神様だけが知っている
この惨状を
神様だけが知らない
私は海月だった
でも私は私の心の在処を知らなかった。
最後は誰の養分にもなれず
海に溶けた。
私は蛾だった
それなりに私をみんな嫌っていた。
最後は窓の冊子に
轢き殺された。
私はニンゲンだった
なんだか疲れる生き物だと思った。
でも「じゅうじつ」
した日々だった。
私はこの世が汚いものだと知った。
海月だった時も蛾だった時も
汚い世界を知っていたつもり、
でもきっと
ニンゲンがいちばん汚いと思った。
私は神様だった。
神様は白い四角い空間に住んでいた。
そして神様はなんでも知っていて、何も知らなかった。
7/4/2024, 1:31:59 PM