27日目
ある日私は、学校をサボって海に行った。
堤防を上って、港から一番遠い隅の方まで歩い、ただただ時間が流れるのを待っていた。
スマホを開き、私の好きな音楽をプレイリストの一番上から順に流していく。
生憎、今日は読もうと思っていた本を家に忘れてしまったらしい。
することも無く、スマホから流れる音楽に耳をすませ、ぼーっとしていた。
何時間か過ぎ、ふと前を見上げると、真っ赤に染まった夕日が恥ずかしそうに半分隠れ、こっちを見ていた。
音楽を止め、その夕日を眺めていると、鳴き声が聞こえた。
悲しい鳴き声だった。
その鳴き声の正体は、クジラ。
吸い込まれてしまいそうなくらいに綺麗な声。
でも、どこか儚い。ぼーっと聞いていると、自然と涙が出てくるような、そんな鳴き声だった。
「ねぇ教えて、あなたは何を思っているの?」
2/4/2024, 7:54:58 PM