もしも世界が終わるなら 月の桂に腰かけて、地球が燃えるのを見ている。私の知る、千年前とは比べ物にならない酷い戦があったのか。天変地異の果てなのか。 兎はしょんぼり耳を垂れ、桂男は斧を下ろして沈黙している。 彼の地の人々が夜毎に見上げ、尊び慈しんで語ってくれた私たちの物語。夢見る人がいなくなれば、この世界も消えるでしょう。 月はまた空っぽの、荒れた天体になるでしょう。
9/19/2025, 3:41:55 AM