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過ぎ去った日々

海外の、とあるイベントに参加しに来た。
大きな円形状の広場がある、西洋風の空間。
そこが、今回のイベント会場だった。

円を形作る周囲の建物に沿って歩く。
そこここで皆が着替えて、準備に入っていた。
参加者の傍には必ず、白くて細い、人がぎりぎり入れるサイズの、棺桶のような箱が置かれていた。
その中にすでに寝そべっている人もいる。
各自、エルフや冒険者など好きなコスプレをしてこの箱におさまり、そこからゲームが始まるのだった。
それぞれが特殊な光の出る武器を持ち、仮想戦闘、殺し合いだ。
私も自分の場所を確保すべくウロウロしたのだが、建物の隙間の細い路地含めて結構どこも満員だった。
広場の突き当たりまで行き、通り抜けできる店の中を突っ切って、円の外に出る。
外側は、少し寂れた店が並ぶ商店街だった。
そこにも壁に沿って、私と同じような人たちが着替えをしていたので、自分もここで準備しようと決める。
バックパックを地面に置き、そこから着替えを取り出してマントや耳をつけていると、左隣にいる幼稚園くらいの小さな子供に気がついた。
なぜなら彼女に、二人組の男が話しかけていたからだ。
何やら、いかがわしい袋を少女に押し付け、下卑た笑いを浮かべ、嫌がる子供の腕を引っ張っている。
(ロリコン?人さらい?キモッ!)
私は怒りと正義感から、咄嗟に腕を出していた。
彼らと子供の間に腕を入れ、二人組を睨みつける。
彼らは私の腕をどけようと掴んできて、何か言っていたが、私はずっとその姿勢を貫いた。
やがて、彼らは肩をすくめて去っていった。
(勝った…良かった)
今更ながらドキドキしてきた。
普段はこんなふうに動けたためしがない。
コスプレイベントに一人で来た事で、普段と違う自分になれたのかもしれない。
満足して元の位置に戻ろうと右を向いて、私は目が点になった。
バックパックがない。
私の全財産他が入っている荷物が。
忽然と姿を消していた。
途端、私は悟った。
海外で良くある窃盗の手口だ。
左を向くと、さっきまでいた幼女がいなくなっていた。彼女もグルだ。
頭が真っ白になった。
右を見て、左を見るが、走り去ったり怪しい動きをしている人間はいない。
というか、盗んでいる現場を皆見ているだろうに、誰も何もしてくれないとはどういう事だ?!
携帯もない。連絡も翻訳もできない。
私はその場で情けない声をあげた。
もちろん日本語でだ。
「誰か!警察!警察を呼んでください!私の荷物が盗まれました!誰か!」
誰もが無反応で行き過ぎる。
私はその場を離れる勇気もなく、ただウロウロと円を描いた。

やがて、行きに通り過ぎた店内に入り、がくりと椅子に座り込んだ。
これからどうすれば良いのだろう。
途方に暮れていると、カウンター向こうの店主らしき人が、
「だから店の外じゃなく中にいれば良かったのに」
と言ってきた。
私は怒りと悲しみにブチギレた。
だからって何?!
そんな選択肢あったわけ?
ここにいればあんたが荷物見てくれてたっていうの?今更言われても?!







というところで目が覚めました。
夢でした。
なんという悪夢。
肝が冷えました。

数日前に本当に見た、夢のお話。
(お題外かも。すみません)
(914.6)

3/9/2026, 11:31:14 AM