きらきらとかがやいたピンクの星が 流星になって砕け散った
手を伸ばして翳したら ちょうど見えなくなっちゃった
ニュースでうたわれていた名前は 確かハレー彗星
何十年に一度の 星空を飾る飛び跡
端っこに写った力ない草場 君は誰かと一緒に笑ってる
僕は部屋の窓辺から 欠けていく恋心を眺めてた
欲深く望んでしまったから 全部全部壊れちゃって
これ以上を示したから君は僕から離れていったんだね
痛いな、痛いな
まるで彗星が突き刺さったみたいだ
彗星の尾が 僕の心を煙たくして見えなくする
肺の中にふと灰が詰まって咳き込んで 出てきたのはなんでもない空気
この空気に名前をつけられたら 恋が良かったな
「おかしいよ」「なんか変だよ」
そう言われることには慣れてきたはずだったのに
おかしいな、君から言われると全く別の言葉に聞こえた
君の隣にいるその子
僕は同じ黒髪で 同じたれた眉で 同じ丸っこい瞳で 同じ髪型で 同じぐらいの背丈で
ねぇ、ねぇ、それでも
やっぱり僕じゃだめですか
だめだから
この彗星は僕を迎えに来たのかな
この彗星が砕け散ったら 君とももうお別れだね
『夢の中の恋』———【失恋】
6/3/2024, 11:58:38 AM