”雫“
私は雨が好きだ
結構な1人は雨が嫌いな1人が多い
お母さんが言っていた
私の名前の由来
私が産まれる日
土砂降りの雨が降っていた
雷も鳴っていて
嵐のような天気だったそう
私が産まれたすぐに
空には虹がかかるほどお天気になったらしい
母が病室に戻り窓の外をみていると
紫陽花の葉に小さいカタツムリが
気持ち良さそうに
陽の光を浴びていたらしい
それはまるで額縁の中の絵のように
きれいな景色だったと
そしてそのカタツムリの上から
ひと粒の雫が落ちた
カタツムリは気持ち良さそうに
頭を天に向けたらしい
お母さんはそれを見て
この子にも誰かの乾いた心に
ひと粒の雫で幸せにしてあげられるような
いつでも笑顔で優しい人になってほしいと
“雫”と決めたそうだった。
だから私は雨が好きだ
雨が上がった後は
たくさんの雫で乾いた心に
幸せの雫をあげられるから
4/21/2024, 11:24:18 PM