自分の顔の上を、雨が通り過ぎた。
雨という名の泪は、ツーと流れてゆく。
…
「嗚呼、あなたに…して…ねば。」
もっと、一緒に、 いたかったのに。
ちゃんと。伝えておけば、 よかったのに。
もっと早く。…
私の親友は、晴れの日みたく輝き、どこに行っても主役になるような人だった。
それに比べて、私は誰からも忌み嫌われる、雨みたいだった。いつも一人で、だからといって目立つ訳でもない。けれど、彼に言わせれば、「雫みたく、キラキラしている。」とのことだった。
私は、彼に密かに憧れるファンだった。
私の1番大切な人は、いつも一人でいて、一人でもキラキラしていて、水みたいに透き通る心を持つ人だった。自分では、「ジメジメしてて、君と並んでいるのが奇跡だと感じるよ。」とか言っている。まぁ、君と一緒にいることは、とても、いや、ものすごく、嬉しい。そこは同感だ。だけど私は、人がいないと何もできない。だけど、大切な彼は、こう言ってくれた。「君は、夏の晴れの日みたいに明るくて、ヒーローみたいだ。」そう言ってくれる君に、密かに、「君みたいになりたい」とゆう思いがある。
二人は、自分の気持ちをふくらませながら、いつものような日常を創っていた。しかし、二人で一緒にすごせる日々のタイムリミットは、着々と迫っていたー。
月と太陽、2つが同時に昇る日だった。
二人は、自分の気持ちを押し込め、その日を迎えた。
「無駄に暑い日だな。」
汗を少し浮かばせながら、太陽のような君は言う。
「そう?太陽が燦燦としていて、気持ちが良くないか?」
雨みたいにジメジメしている私と、太陽みたいな君は、こんなふうに、他愛のない話をしていた。
大切な時間は、案外、簡単に、壊れてしまうことを、このとき知った。
その時、 生まれてから、長く見ていた、碧い、宝石のような空から、太陽が消え、フッと、 光が消えた。 私は、このあと起こることを想像った。
自分のいる空間は、暗く、一人ぼっちのような感覚が続いた。私の考えたことは、あながち間違いではなかったのだ。
私の目が、暗闇に慣れたとき、碧い空が広がり、太陽も輝いていた。数分、違いにきずけなかった。なんと、私の憧れの、太陽が、消えるまえには、手が届くくらい、近くにいた、キラキラしている彼がいなかった。
それから一年。彼を探したが見つかっていないままだ。空に浮かぶ雲を見ながら、私はつぶやく。
「君への気持ちが、伝えることができていたのなら。」
空に浮かぶ太陽は、強く輝いた。
FIN.
5/4/2023, 10:50:15 AM