霜月 朔(創作)

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夢じゃない



世の中は、残酷で、
優しい人間を、
容赦無く傷付け、
様々な物を奪い取る。

身体の傷跡は、
消える事はなく、
心は血を流し続けて、
乾ききってしまった。

夢ならば良いのに、と、
目を瞑り、耳を塞ぐ。
布団を頭から被り、
朝を待つ。

早起きな朝日が、
容赦無く照り付け、
世の中を、そしてオレを、
目覚めさせる。

夜明けの街は、
何時もよりずっと静かで、
人の醜さが薄れ、
悲しい程、綺麗に見える。

本当に恐ろしいのは、
夢じゃない。
余りに残酷過ぎる、
…現実。

もうすぐ、
夢じゃない、現実が、
汚れきった社会が、
目を覚ます時間。

8/9/2025, 3:07:51 AM