[世界が終わらなくても君と]
「明日、世界が終わったらどーする?」
また、突拍子も無いことを廉は言う。
「そうだなぁ、いつも通り過ごすかな」
だって、焦っても変わらないじゃんと笑うと
それもそうだと言って苦笑いをしていた。
…ほんとは嘘なんだけど。もし、明日世界が終わるなら廉に幼馴染みから恋人になりたいって言いたい。けど、意気地無し。そんな、何かが無いと好きっていう2文字すら伝えるのも難しい。
でも、確かに時間は有限だ。もし、明日世界が終わったら未練しかないから「海に、行かない?」
廉に負けないくらい突拍子に言った。
自分でも言えたことに驚いた。普段あまり提案したりしないからか廉は驚いていたけど
「良いな、今日の放課後行こーぜ」太陽みたいな笑顔が心の緊張をほぐしてくれる。「うんっ!」
はじめて自分から誘えたことが嬉しかった。
あまりにニコニコしすぎていたのか廉に
「そんなに海に行くの楽しみなのか?」
「ううん!れ、廉と行くのが楽しみだなって」
少し恥ずかしかったけど、素直になれた。
廉が少し照れながら「俺も」と言ってくれた。
5/7/2024, 1:41:32 AM