無灯

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死に際だけ寂しがるなんて酷いぢゃないか。

元気なうちはぢゃまものあつかい。
元気がない時だけは優しく振舞ってご機嫌取り。

失いかけて漸く気付くなんて、遅いぢゃないか。

元気な時には仲良く過し
病の時は、必死に励ます

そういうやうな日常こそが至上の幸福であるといふことをりかいして生きるたいものだ。



ずっと大好きだった祖母。

去り際は笑顔で見送る。
死。
別れを惜しむより、感謝と旅立ちの無事を願って。
一礼。

さらば。親愛なる祖母。
そして、もう1人の母よ。

祖父の威厳と祖母の愛情、
両親から受け継いだ勤勉さと期待を以て我と成す。

家族との別れは、心の分裂に等しい。
故に、大事に育て、手放さぬよう日々、
嘗て記憶に思いを馳せたい。

それこそが、自分を生きるといふことである。

5/29/2024, 11:05:58 AM