ドキドキと心拍数が上がっていく。
彼を見ただけでするこの動機は、きっと怒りによるものだ。
何かとあれば声をかけてきて、特に用事もないのに構ってくる。
構ってちゃんばりに私にちょっかいをかけてくるのだ。
教室の中で、廊下を歩いている時、登下校ですれ違った時、エトセトラ。
いつからか、あまりのちょっかいぶりに声を荒らげたことがある。
彼はビックリして、その日一日ちょっかいをかけられることはなかった。
だが、収まったのはその一日だけで、次の日からまたちょっかいをかけられる日々が始まった。
だんだんとむかっ腹が立ってきた。どうして私がこんなに彼に構われ続けなければいけないのだろう。
イラついて無視をしたこともあったが、そういう時は応えるまで話しかけられ続けたので、今は何かしら相手にするようにしている。
私は休憩時間は読書をしたいのに、最近ではずっと邪魔され続けているから、それをする間もない。
相手にする度にイラついていたが、ある日。
親戚が亡くなったとかで、彼が忌引きで3日ほど学校を休んだ。
その3日間は驚くほど静かで、久し振りの静寂だった。
私は数ヶ月ぶりに休憩時間に本を開いた。
だが、内容が入ってこない。文字が滑るだけで、頭に中身が入っていかないのだ。
静かだった3日間、それは私を悩ませた。ずっと欲しかった時間がこんなに苦痛になることなんてあるのだろうか。
忌引きが明け、彼が復帰してきた。
またやかましい日々が再開した。
彼は少し沈んだ顔をして、また私にちょっかいをかけ続けた。
彼が普段の様子ではないことに私は訝しんだが、1週間もすると、彼はいつものハイテンションに戻っていた。
私はそんな彼の様子に少しホッとした。
またうるさい日々が続いている。
私はまたイライラしている。
心拍数が上がる。動機がしている。
これはイラついているせいだ。きっとそうに違いない。
彼が肩を叩く度、私の心臓はドクンと跳ねる。
3/26『好きじゃないのに』
3/26/2026, 9:21:31 AM