宮平和実

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「子供のままで」
 
 今日は、彼女の誕生日。彼女はペンギンが好きなので、久しぶりに二人で水族館に来ている。
「わぁー。可愛いー!ねぇ、見て!ペンギンさんだよ!」
彼女が、ペンギンを見て喜んでいる。
「ふふ。そうだねぇ」
「好きなものを見て喜ぶのは昔から変わらないね。ほんと、君は可愛いな」
僕が笑う。
「うん!だって嬉しいからさ」
君は笑顔で僕に言った。
ペンギンを見て、「本当に可愛い!凄いなぁ。泳ぐの早いなぁ。私、あんなに早く泳げないよ」と彼女は言っている。
「子供のままで素直でいいなぁ」
僕は、ボソッと言う。
「ストレートに褒められると照れるよ」
君は照れながらそう言った。
 けっこう長い間、ペンギンを見ていた。
「は!もうこんなに時間が経ってる!ごめんね。他にも見たいところあったよね?」
時計をみながら君は言った。
「いや、いいよ。イルカとか、僕が見たいのは最初に見たから」
「そっか。次はどうしようか?」
「そうだね。お土産コーナーはどうかな?君の誕生日になにかプレゼントをしたいから」
「えっ!君と一緒にペンギンさんを見れただけでも十分に誕生日プレゼントだよ」
「うん。そっか。そう思ってくれて嬉しい。僕が君に何か物をプレゼントしたいだけなんだ」
「それは嬉しいよ。欲しいもの?ペンギンさんのぬいぐるみかな。あとは、今日の記念に君とおそろいの物が欲しいな」
「分かった。じゃあお土産コーナーに行こうか」
「うん!」
お土産コーナーに着いた。
「ペンギンさんのぬいぐるみだ!このペンギンさんのぬいぐるみにしよう!」
「うん。君が気にいったぬいぐるみがあって良かった」
「うん!」
「君はどれがおそろいで欲しいかな?」
君は僕に言った。
「やっぱり、キーホルダーかな」
「じゃあ、キーホルダーにしよう。イルカとペンギンのキーホルダーが無いかな?」
「あるといいけどね」
「あっ!あった!イルカとペンギンのキーホルダー!」
「本当だ!」
君と僕は驚いていた。
「これにする?」
「うん!」
 会計を済ませて、ラッピングをした中にペンギンのぬいぐるみが入っている袋とイルカとペンギンのキーホルダーが入っている袋を君に渡す。
「お誕生日おめでとう!」
「ありがとう!」
君はニコニコしながら受け取った。
「どういしまして」
「私も渡すね!今日はすごく楽しかった。思い出に残る誕生日になったよ!」
君からイルカとペンギンのキーホルダーが入っている袋を受け取る。
「ありがとう。僕もすごく楽しかったよ」
「うん!いえいえ!」
僕達は手を繋いで水族館を後にした。
 これから先も君の誕生日を祝う事が出来ると嬉しいなと帰り道に思った。





5/12/2024, 11:36:11 AM