叶湊

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お題:私の当たり前

彼が私の隣にこれからもずっと変わらずいてくれるのだと信じてた。
私と彼との仲は20年以上前からで、親同士も仲が良かったことから生まれてからずっと同じ時間を過ごしてきた。
小さい頃は一緒にお風呂に入ったり、ベッドで一緒に寝たりするのは当たり前のことだった。
中学生に上がったときは距離が近すぎてよくクラスの友人にからかわれた。
高校生になって違う高校に通うことになってしまったときでも、週に一度はお互いに家に行ったりして遊んでいた。
社会人になったら、会える時間はほとんどなくなった。
お互いに仕事のことで手一杯だった。でも月に一度は飲みに行っていた。
そんな私達の友情は一生物で、これからもずっと変わることのないものだろうと信じて疑わなかった。

でもある日彼は妻になるというを私に紹介してきた。
恋人がいたことすらも知らなかった。
待ってればそのうち私に告白をしてくれるとすら思っていた。

私は彼のことを恋愛的な意味で好きだった。
彼が妻を連れてきた日の夜私は寝ることができなかった。

私がさきに告白してればよかったのか。
なんで彼は恋人がいたことを私に隠してたのか。
両思いだと勘違いしていた自分が痛々しい

そんなことばかり考えていた。
いつの間にか夜が明けて、気づけば枕は涙で濡れていた。

その日から何も手が付かず仕事もミスばっかりで沢山叱られた。

「今日もなにもできずに周りに迷惑をかけてしまった。仕事に史上を持ち込むなんて本当に最低だ。」

そんなことを家に帰りながら思っていたある日、郵便受けをいつも通りみると結婚式の参加状と1枚の手紙がが入っていた。その手紙には

「大親友の【私】ちゃんへ 結婚式は絶対予定空けといてね!俺の晴れ舞台見に来てよ!」

そう書かれていた。
それをみたときやっと心の整理がついた。

私の隣にはもう彼はいない。
幸せにする人ができたのだから。

そう思うようにした。そう思えるように心を殺した。

返信の手紙にはこう書いた

あたり前でしょ?!
いつか子供できたら抱っこさせてねwあとさ、絶対
しあわせになってね!困った時はいつでも相談し
てね!お前は一生の親友だからお金でもなんでも
たすけてやるからな!
                【私】より

7/9/2024, 2:26:14 PM