・3『時間よ止まれ』
その夜夢を見た。
夜景のジグソーパズルの中にいるような何も無い夜空を見上げている。
いや星はあるのだが貼り付けたような不自然な白さ。
だが、夢なので特に疑問に思うこともなかった。
手元に小さな四角い焼き物があった。七宝焼だろうか。
ほんのり光沢があるプレートは赤とグレーと2つある。
達筆なのか……わからないがくずし字のような字で何か書いてある。
赤い方には「私の魂はあなたのもとで眠る」
もうひとつのグレーの色の方はよく読めない
目を凝らす
「この時を止め永遠に」
(これは誰かの墓標だ!)
そこで目覚めた。
【続く】
9/19/2024, 2:51:07 PM