両手いっぱいの別れを数えて大人になった
薄汚れた残りわずかな純情も
煙草で汚れた六畳の部屋も
棺が燃え、空に溶けていく青色の煙も
結局いつか、私から「さよなら」と告げるもの
瞬く星よりもありふれた出会いと別れ
それは夜のように淋しく、水中のように苦しい
右肩が擦り切れたオリオン座のように
どんなに永遠を感じるものでも
いつか必ずどこかが欠ける
机の上に転がるジッポライターだけが、手元にある
私が数えた別れの分
私が数えた悲しみを与えてくれた人は
私がまだ行けないその場所に
酷く美しい冬の星座の隣にいるのだろうか
10/5/2022, 7:29:37 PM