どすこい

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「空はこんなにも」

君が空に行ってしまってからしばらくたって、最近はあの屋上に行っていないなと気がついた。君がいた時は、毎日のように一緒に空を眺めながら語り合ったのに。隣に君がいないと思うとなかなか行く気になれない。でも、そろそろ私も限界かもしれない。溜め込んでいた食料は底をつきかけているし、最近は本当に暑くて溶けてしまいそうだ。心なしか息も苦しくなってきたような気がする。最後に、もう一度あの屋上に行こう。これで本当に最後。
久しぶりに扉を開けて外へ出る。瞬間、コンクリートに反射した熱気と紫外線が肌を刺す。階段を一気に駆け上り、屋上へ向かう。しばらく行かないうちに、この校舎もだいぶボロくなってしまった。
ごろんと屋上に寝転がる。背中が暑くて仕方がない。まるで鉄板の上に寝転がっているようだ。眩しさに瞬きながら目を開ける。空はこんなにも青かっただろうか。君とみた景色も、もうだいぶ忘れてしまったようだ。
そのまま空を眺めていたら、いきなり周囲が輝きに包まれた。あ、隕石。

※「空に溶ける」と繋がっているつもりです。

6/24/2025, 2:26:52 PM