りんたろう

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実家に帰ってきた。
大学に進学して以来、18年ぶりに、またこの家に住む。

都会で戦って、
傷ついた負け犬にとって、
実家のベッドは、以前と変わらないはずなのに
優しく、やわらかで、暖かかった。

夜中にLINEの通知。
見ると、地元の友達。

「帰ってきたんだって?
また、時間ある時、飲もうよ。」

他愛のない内容だが、
今の自分には染み渡るほど暖かく、
胸をじんわりさせてくれた。

気持ちが軽くなったおかげで
顔をあげられた。
電気もつけてない自分の部屋。
夜中なのに明るい。

立ち上がって、窓を開けて、空を見上げた。
星空って、こんなに明るかったっけ。

都会の強い明かりだと、掻き消えてしまっていた
たくさんの小さな輝きが、見守ってくれている。

この家を出る時は気が付かなかった。
当たり前に照らされてた控えめな光たち。

ゆっくり、癒していこう。
また、ここからだ。
星空の下で、涙をふいた。

4/5/2023, 11:04:39 AM