どうしても許すことができない
どうしても愛することができない
膿んだ傷跡から目を逸らし続けて何を得たか
錆びた心臓から零れ落ちる
沸々と、轟々と、淀んだ残り滓の行列に問う
私のことを許せない
私のことを愛せない
爪の間に詰まる憎しみ、掻き毟る度に剥がれる悲しみ
気紛れに潰す種子から噴き出すように泥は溢れて
気付けばこんなに汚れてしまった
降り積もる、しんしんと堆く飽くことなく
心を込めて育てた失意
まだこの両手があなたの顔に届かなかった頃から
腐って沈んで生まれた隙間
僅かな光も届かない、忘却を願った黒い記憶
広がる海に溺れながら、命辛々育ててきた徒花
少しばかり不格好だけれど大きく立派になったでしょう
諦めてしまえばいいのに
どうせどこにも行けない、離れないし捨てられない
一枝一葉が私を呪う声がする
さらさら、さらさら、風に揺られて、私を穿つ音がする
まあいいか、そして私はまた忘れる
どうしてこんなに汚れてしまったのだろう
ただ一度、頷いてくれたら
醜い火の粉を掬わずとも、そっと風上から見守って
あなたの瞳の真ん中に映して欲しかっただけ
爆ぜて跳ねて踊ってみる
汗に塗れ、転んで挫く羨望にまた焼かれて
無様に散る一片の火花、涙を落としてなお惑う
灰になってしまいたい
美しく焦げてしまいたい
煙を苦しむ未熟の身にはまだ早いか
いつか
諦めた空へ散りばめた塵芥が、誰かを救うなら
(答えは、まだ)
9/16/2025, 12:28:38 PM