おわかれ、わかれ、ふりふられ。であいにめぐまれ、さくらちる。はざくらのときに、逢いにゆく。みずたまりをぱしゃり、しゃり、と、はねる雫をふくに染ませながら、だんだん降りやんできたわたぐもへ、ほほえんでみせる。すこしずつしか歩めなかった。そのたびに、さきへさきへと往くざっとうに、口のなかに柘榴をしのばせて。「わたしも、すすめているのかなあ。ゆっくりとひらいて、ことばにしないのは、おかしいのかなあ。」水鏡にうつる、もうひとりのじぶんをつい、ついっと刺激して、まだらにさせる。くるしいといわないのは、うれしいほうをきみに報せたいの。だれかれとか、わかりやすくせずに、ぽやぽやとおくりたいの。とやかくと言わないのは、かんがえなんてつゆしらずに旅をして、たまに「ねぇねぇ、きれいないしころみつけたよ!」と、はしゃぐきみに「そうだね、きみのながれるようなひとみに吸い寄せられて、魅かれちゃったんだよ。......そうだ、すこしだけ、あずからせてもらってもいいかな。どんなときも照らしてくれるみちしるべになるまで、みがいて、おわったら贈るね。身につけているかぎりは、どんなところにいても、みつける。おはな、ちょうちょうにかわっても、──とおいとおい星のむこうだって。モールス信号をつかい、位置をたえまなくつたえるよ。〝かなしい。〟そう、よるにとなえる日は、風になって、ひかりになって、きみのもとへとんでゆく。はなればなれだろうと、蜂蜜のゆびはつながっている。するどいものを飲みこんで、こんがりとした色のころ、うたをうたうよ。」そう、言いたいの。あわく、うたかたの逢瀬をおえて、あすには土のしたにねむる、みずのあなた。はれてしまえばいなくなる、きままなきみ。またね、次ぐ日には、いっしょにひなたをみよう。しゃがみこみから立ちあがり、湿りけの空気をたべて、家にむかった。とろとろのゆうぐれ、ぴか、ぴかっとてらす朝日、くりかえすまいにち。いつかはかならず、こころから、わらえるね。
2/25/2026, 8:40:27 AM