喜村

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 春は夜に外出するに限る。
若干寒いが、花粉症の私からすると、夜の時間帯のほうがまだマシだ。
花粉がゼロになる訳ではないので、マスクとティッシュは必需品ではあるが。
 夜桜なんて洒落たものもいいが、私はただなんとなく田舎道を歩く。
街灯で照らされた寂れた町並みには目もくれず、少し花粉ではれぼったい目で空を見上げる。
 お一人様だからできる、夜空を見ながらのあてのないお散歩。
もし彼氏がいたら、こんな夜にぷらぷら外を出歩くなんてできない、子どもや親がいたら尚更だ。
 余計な光がないと星空は眩しいくらいに輝いていて、自分はその空間に飲み込まれそうになって。歩きスマホよりも危ない時もたまにあるくらい夢中になれる。
 星空の下でのこのお散歩は、あと何回くらいできるのだろう。親からすれば早く落ち着いてほしいところだろうけれども。
 さて、そろそろ帰ろうか。
私は家路をたどった。


【星空の下で】

4/5/2023, 11:59:34 AM