バイバイ
家で待つ家族のため、私は足速に駅へ向かう。私を見送るため共に歩く貴女は、少し後を付いてアレコレ話を続ける。
「バイバイ。またね……」と、改札を抜けて貴女に手を振る。
私は2時間の帰路を、乗り換え案内アプリで確認して家路を急ぐ。貴女は15分ほどの今来た路を、ときどき通る車のライトに照らされ戻っていくのだろう。
夫婦2人で過ごせるよう実家をリフォームした家に、独り帰って行く。まだ片付けられていない段ボール箱が、いくつもの空き部屋を埋めて、幅も長さも足りていないカーテンは、買い替えることもなく洗濯バサミで無理やり閉めていた。
「バイバイ。今度来るときは、片付け手伝うよ。」そう言ってバイバイした。
2/1/2025, 11:16:27 PM