また、目が覚めた。
今度は四半刻も眠れていない。
君にも少ししか逢えなかった。
ここ最近ほぼ眠るだけの生活をしているせいか、
いやに目が冴えてなかなかもう一度眠りにつけない。
前まで、君を喪ってすぐの頃はむしろ眠れないほどの精神状態だったのに。
布団に包まり暗闇をぼうっと眺めていると、
ゆるく、ゆるく、微睡みが誘ってくる。
この気配は君に逢える世界一幸せな合図だ。
今度の眠りはもう少し長ければいい。
君に会えるならこのまま埋もれて永遠に目覚めなくたっていいんだ。
君のいない世界は酷く暗くてつまらない。
自分が創り出した「君」が呼ぶ声に意識を沈めるとともに、ふっと世界は暗転した。
12/5/2023, 5:43:01 PM