小絲さなこ

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「明日が来るということは、絶望のようなもの」




『明日、晴れたらどこかに行こう』
「暑いからイヤ」

どうにかして私を外に連れ出したいアイツの誘いを突っぱねて、スマートフォンの電源を切った。


明日など来なければいい。

時が止まるより、私がこのままずっと眠り続けたほうが現実的。
それなのに、実現されないまま、季節が変わろうとしている。


いつの間にか眠っていて、朝になっていた。
あぁ、なぜ目覚めてしまったのだろう。

タオルケットに包まってため息をついていると、ドタドタと足音が聞こえてきた。

「さ、出かけるぞ!」

いくら幼馴染とはいえ、お互いもうお年頃なのだから、ノックもせずにドアを開けるのはやめてほしい。

「嫌だ。帰って!」


現実は見たくない。
夏が、来たのだ。
来なくてもいい今日を連れて。



────明日、もし晴れたら

8/1/2024, 3:00:49 PM