窓の外を見ていた。
「なんかあった?」
「ううん、最近窓の外見なくなったなと思って」
見ていたけれど特に面白いものはなかった。
「でもそういえば昔は、私が窓の外見ててもイグは何も言わなかったよね」
「確かに…」
どうしてだろう。
今より仲がいいわけでもなかったのもあるだろうけれど。
「ムン毎日のようにつまんなそうに外見てたから、わざわざ訊かなかったんじゃないかな」
「そうかも」
楽しくなかったんだ。あの日々が有意義なものとは思えなくて。私はなにをしているんだろうという気分でとても窮屈だった。
外の人々は何をしてどう生きているんだろう。それを探すように外を見ていた。
私の代わりとなったあの人は、窓の外に私のかけらを見て何を思うだろうか。
9/25/2024, 10:59:56 PM