最後の声
遠く、声が聴こえたような気がした。
どうせ気のせいだろうと、帰還ポッドの中でふたたび微睡みに身を委ねる。心の奥で諦めていた。
怖かった。期待して、本当に気のせいだった時が。何も考えず、全て諦めて、何も聴こえないふりをする方が楽だった。
それが、たとえあの人の思う通りだったとしても。
もう、抗う体力も残っていない。
真っ白な空間の中で眠り続ける。思考を奪うためのそれらの操作は正しく機能し、たしかに、何かがひび割れる音が響いた。
自己核機能停止。
無機質な記録だけがそこに残った。
6/27/2025, 4:43:18 AM