三羽ゆうが

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ハッとして目が覚める。目の前に広がるのは雲ひとつない真っ青な空と、無限に広がるまっさらな荒地。地平まで何も無い。

「勇者様!お目覚めになられたのですね!!」

突如目の前に現れたのは、中学生くらいで可愛らしい金髪の女性。何故か服装は鎧のようなものを着ており、腰には刀の様な何かを身につけている。

「ゆ、ゆう…?」

「勇者召喚の儀式で、貴方様が呼ばれたのです!つまり、貴方様が勇者!!」

「…えっと、」

「お名前は何と仰るのですか?」

「……あー、と…」

「何処からおいでなされたのですか?それから…」

満面の笑みで次々と疑問を投げかけられ、脳内はパンク寸前だ。放心している姿を見て、金髪少女は慌てたようにわたわたと謝罪を始めた。

「わわ!そうですよね、まだ混乱されてますよね…とにかく!勇者様、こちらをどうぞ」

そう言って渡されたのは、青白く光り輝く剣。…正直、何かしらのゲームで見た事ある気がする様な見た目だ。その剣を手にした瞬間、ぞわりと体に衝撃が走る。脳内の記憶が混じり合い、様々な人々の声がうるさい程にフラッシュバックした後最後にこんな声が聞こえてきた。

〈76回目の挑戦です。魔王を倒して下さい。〉


…この旅、終わりそうにない。


『終わりなき旅』

5/30/2024, 10:26:19 AM