あなたは誰
「あんた、誰だっけ?」
一世一代の告白は、不発に終わった。
誰、だって?
おいおい、クラスも委員会も同じだろーがよ。
なんてわざとぶっきらぼうな言い方で頭の中で文句を言うが、実際は涙をこらえるので精一杯。
「じゃあ、俺行くから」
仲良くなれたと思ってたのは、自分だけだったみたい。
私は、あの人のまわりのその他大勢にすぎず、あの人の視界に入ってなかったんだ。
ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう。
─────
「あんなやつ、いたっけ?」
クラスのざわざわする声が聞こえる。
いいや、聞こえない。気にしない。私は私だ。
1人の男子生徒が私に近づいてきた。
「あれぇ、イメチェン?可愛くなってんじゃん。今なら俺のグループきていいよ?」
かかったな。今更ながらなんでこんなやつに私は引っかかったんだろうか...。私の好きだったあの人は、もういない。私は、こんな人知らない。私はできるだけ嫌味ったらしく、言ってやった。
「───あなた、誰?」
2/20/2025, 9:59:32 AM