星乃 砂

Open App

 《巡り逢うその先に》
        第2章 ①
【未来】

登場人物
 高峰桔梗
 明美

高峰桔梗は就職先が決まらずにいた。
友達はみんな働いてるのに、どうして私は職業できないのだろう。
今日は友達と、短大卒業後 初の女子会だ。
「あんたどうするの、就職先決まってないの桔梗だけだよ」
「何社受けたんだっけ?」
「12社」
「よく落ちたもんだ、この際だから記録作るか?」
「嫌よそんなの、絶対に次で決める」
「だいたい何がしたいのよ?」
「これといって無いのよね」
「だからいけないんじゃないの、
ちゃんと未来設計立てなくちゃ」
「明美は、ちゃんと未来設計立ててんだ」
「当たり前でしょ、3年で有望株を捕まえて寿退社するの」
「そんなの未来設計じゃないでしょ」
「私って何に向いてると思う?」
「桔梗って人はいいけど、曲がったことが嫌いっていうか、融通が利かないっていうか、それに自分より他人を優先するところもあるよね。ドジだけど」
「ドジは余分でしょ」
「そういえば、一緒に住んでる人って警察官でしょ、コネが利くんじゃないの?」
「警察官にコネは必要ないんじゃないの?」
「桔梗には向いてると思うけどな孝一も言ってたよ、繁華街でオヤジと揉めた時、桔梗が間に入ってくれなかったら大喧嘩になって警察のご厄介になってたかもって」
「実は華さんにも、私は警察官に向いてるって言われたことがあるのよ」
「決まりだね。じゃあ今日は前祝いということで、乾杯!」
「「乾杯」」
「そ、そんなー」
桔梗は次の日、華たちに相談してみた。
「僕はいいと思うよ」
「おばさんも賛成よ」
「もちろん私も賛成だ」
聞いた手前、みんなに賛成されると後に引けなくなった。
幸か不幸か、やっと前へ進めそうだ。
 
           つづく

6/18/2024, 10:19:28 AM